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2025.04.01

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2025年のネイルサロンサービスや ネイル製品の未来は明るい!?

2019年の年末から世界中を恐怖に陥れた新型コロナウイルスにより、日本でも多い地域では計4回もの緊急事態宣言が発令され、働き方はもちろん、「おうち時間」への取り組み方や意識が大きく変化しました。そんな中で「おうち時間」を充実させる為、セルフネイルを始めた方も少なくありません。
そこで本記事では、セルフネイルに対する需要が増加している背景を踏まえ、プロのネイリストやネイル商品を販売する方に向けて、2025年の日本のネイル市場の推移について、サロンサービスとセルフネイル販売(消費者向け販売サービス)に分けてお伝えします。

サロンサービス市場の推移

リクルートのホットペッパービューティーアカデミーの統計によると、2024年のネイル市場は、ネイルサロンの市場規模が前年比で16.3%と大きく増加し、1,390億円と推計されています。
市場規模が大きく増加した背景には、

  • 男性のサロン利用増加にともなう男性マーケットの拡大
  • オトナ女性のサロン利用金額の増加

の2点が挙げられます。

男性のサロン利用増加にともなう男性マーケットの拡大

男性のネイルサロンの利用率は3年連続増加しており、2024年時点では4.7%に上昇しました。美容意識の向上に伴い、ネイルサロンを利用する男性の数が増えていると考えられます。特に、ビジネスパーソンは身だしなみとして「ネイルケア」を利用する傾向にあります。
また、韓流アイドルブームが流行している影響も受け、セルフでネイルを楽しむ若年層の男性の数が増加していることも、男性マーケット拡大の要因の一つと言えます。

オトナ女性のサロン利用金額の増加

オトナ女性のサロン利用額は、市場規模で増加しています。特に40代と50代の女性の利用金額が大幅に増加していることから、ジェルネイルに加えてネイルケアにも高い関心を持っていることが推察できます。
また、40~50代の女性は、爪へのダメージを軽減できるネイル技法である「ノンサンディング」や「一層削り」など、プラス単価のメニューを選ぶ傾向も見られます。
この世代は団塊ジュニア世代にあたり、人口も多いため、数多くのビジネスチャンスが存在します。そして、20~30代にネイルやヘアカラーで色遊びを楽しんできた世代です。40~50代の女性について、ヘアに関してトリートメントやヘッドスパなど補修や癒しを提案しているのと同様に、ネイルに関してもケアや健康がキーワードとなってきました。例えば、ネイルケアも含めた肘から下のハンドケアや、「ノンアセトン」等の健康を切り口としたオフメニュー提案など、ネイルサロンから離れていた方へ再来を促すことも、ビジネスチャンスの一つと言えます。
さらに、オトナ女性向けの新メニュー(プラス500円といったワンコインメニューも可)やクーポンを用意し、次回ご来店のご案内時やSNSなどでしっかり発信することによって、再来率UPや単価UPに結び付くでしょう。

セルフネイル製品市場の推移

ネイル白書2023によると、2005年には613.5億円あったセルフネイル製品市場は、コロナ禍の2019年末に512億円と大きく縮小しました。
ただし、近年は「おうち美容」「一人時間」「節約女子」といったがキーワードが流行しており、セルフネイルに人気復調の兆しが見えています。
市場規模が復調の理由としては、上記のキーワードに加えて、下記の要因も挙げられます。

セルネイルに関する製品の進化

初心者向けのジェルネイルキットやマニキュアセットが、数多くのブランドから販売され、初心者でも簡単にプロ並みの仕上がりのネイルを楽しむことが可能となりました。100円ショップやECモールでも、セルフネイルに関する商品が安価で販売されているほか、豊富なカラーラインナップの商品が展開されており、ネイルシールを中心とした沢山のネイルパーツを手軽に購入することができます。
また、現在は、マグネットカラージェルとスティックタイプの磁石の人気が特に高く、セルフネイルの手軽さの向上や、デザインの幅の拡大に繋がっています。

SNSやYouTubeが普及した影響

コロナ禍以前はネイルスクールで学んだり、メーカーさんやディーラーさん主催のセミナーに参加したり、ネイルエキスポなどイベント会場でのデモを見るなど、リアルで学ぶことが当たり前でした。
一方で、コロナ禍以降は、InstagramやTikTokなど、SNSを通したセルフネイルのデザイン紹介動画や、How to動画によってトレンドが生み出されることが増えました。 また、YouTubeでは、セルフネイルのテクニックを詳しく解説した動画が多数あり、初心者でも気軽に学びやすい環境が整っています。
コロナの影響やインターネットの普及によって、オフラインのセミナーやスクールに参加するのではなく、SNSやYouTubeで情報を収集し、セルフネイルを楽しむ方の数が増加していると考えられます。

ネイル市場の今後の展望

筆者自身は20年前から美容業界に従事していますが、2000年前後はソークオフジェルが日本で発売されたばかりで、1個あたり4,000円前後のカラージェルが当たり前でした。
そこから20年経った現在では、カラージェルは安価なモノであれば10分の1の価格で購入することが可能です。
このように、ネイル関連製品は日々進化しており、本章では筆者自身の考察を踏まえて、ネイル市場の今後の展望についてご説明していきます。

ネイルのトレンドも繰り返されます

10年前の2015年に愛知県のネイルメーカー様が、「ネイルは剥がす時代へ」をキャッチコピーに『ペラベース』を発売し、10年経った現在、ピールオフベースジェルがセルフネイル市場で人気となっています。
また、ヘア業界の話になりますが、昔「段カット」と呼んでいたレイヤースタイルは、「ステップカット」という言い方に変化されたように、トレンドは巡り巡ってリバイバルされるものです。
さらに、単なる焼き直しではなく、最新技術や価値観を融合して進化することで、新たなトレンドとして再燃するケースが散見されます。
過去と未来を橋渡しする‟リバイバル“。これからのネイルトレンドがどう変わるか、非常に楽しみです。

健康や環境に配慮したジェルネイル関連製品の需要も増えています

健康や環境配慮型の製品やメニューの需要も増加傾向です。
例えば、アセトンによる健康被害を防ぐためノンアセトンでのオフの推奨や、ネイルオフ時に発生するダスト問題など、今後は、より安全にネイルを楽しむことの必要性を考えていくことも重要な課題と言えます。
そこで5’FFでは、健康や環境に配慮した製品として、ノンアセトンのジェルリムーバーを販売しております。ノンアセトンでジェルタイプの為、爪周りの肌に付着しにくく、乾燥・白化を軽減します。そして、アルミホイルやコットンも不要の為、環境にも配慮した製品です。(https://5off.jp/

ネイル業界の今後の課題

ネイル業界の今後の課題について、「衛生管理と安全性」「サステナビリティと環境問題」「高齢化とターゲット層の変化」の3つの視点から考察していきます。

衛生管理と安全性

労働安全衛生法施行令等の一部改正により、2024年4月、化学物質を取り扱うすべての事業所において、化学物質管理者の選任が義務化されました。
また、NPO法人日本ネイリスト協会では、昨年からJNAネイルサロン等化学物質管理講習会を開催しています。この講習会は、厚生労働省が推奨するカリキュラムに基づき、化学物質管理について学ぶ講習会です。ネイルサロン衛生管理士取得と合わせ、今後は安全に取り扱う為の知識習得も必要となってくると考えられます。

サステナビリティと環境問題

ネイル業界では数多くの化学薬品を使用するため、長年、環境への負荷を軽減することが課題として挙げられてきました。今後はエコフレンドリーな製品の開発や、ネイルオフ時のダストを含めた施術時のゴミ問題が、メーカーやサロンを問わずネイル業界全体で、より一層重要な問題事案となるでしょう。

高齢化とターゲット層の変化

若年層だけでなく、65歳以上の高齢層にもネイルの需要が広がっています。そのため、若年層にはファッションと連動するデザインを、高年齢層には爪だけではなく指先全体の血色が良く見えるケアメニューやカラー選定を提案するなど、年齢層ごとに適したサービスを設け、多様化するニーズに対応することが重要となってきます。

今回のまとめ

本記事では、日本のネイル市場の推移について、サロンサービスとセルフネイル販売(消費者向け販売サービス)に分けて解説しました。昨今ネイルサロンの市場規模は大きく変化しており、その背景としては、今までのメインターゲットであった若年層の女性以外に、男性や40~50代の女性の台頭が挙げられます。特に40~50代の女性はプラス単価のメニューを好む傾向があるため、この年代に選ばれる新メニュー開発が必須となってきます。
また、ネイル関連製品の進化やSNSの普及によって、セルフネイルの製品市場も拡大しており、ユーザーは手軽に製品を購入したり、簡単に製品情報や使用方法をインプットすることが可能となりました。
今後、ネイル業界は、日本企業の商品開発や、手先の器用な日本人のネイルアート技術を含めたジャパンクオリティを海外に発信したり、商品の安全性やサステナブルといった価値観を融合して進化することで、新たなトレンドが生み出されることでしょう。
これからのネイル市場がどう変わるか、目が離せません。

コラム参考サイト

https://hba.beauty.hotpepper.jp/search/column/c_price/58349/2/

https://www.nail.or.jp/media/pdf/press/20230113.pdf

 

このコラムを書いた人
5‘OFF スタッフ T.K
美容業界の営業歴 約20年
5‘OFFでは営業として、プロ&一般問わずネイル業界での営業活動を行っております。
表参道にはサロン兼ショップがございます。是非商品をお試しご希望の方は、お気軽にお越し下さいませ。