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爪の形は遺伝する?影響する要素や変える方法をわかりやすく解説
ネイリストとしてお客様のネイルを施術する中で、お客様から「爪の形って遺伝するの?」という質問を受けることはありませんか?より専門的に回答する場合、どのような説明が適切なのでしょうか。
本記事では、環境や習慣による爪の変化や、ケア次第で形を整える方法など、実践的なアドバイスを解説します。
【目次】
ネイリストへのよくある質問:「爪の形は遺伝しますか?」
ネイリストは、お客様から「爪の形って遺伝するの?」という質問を受けることがあります。
その答えとして、「遺伝の影響を受ける一方、生活環境やケアで変化する可能性が高い」と答えると良いでしょう。遺伝だけではなく、環境も影響することを正しく説明することで納得感が増し、プロとしての信頼を得られます。
遺伝の影響を受ける
爪の形、厚みや爪床の様子は親子で似るケースが多く、一定の遺伝的要素があると医療・美容の現場でも認識されています。
例えば、巻き爪に悩む人の6割が「自分の足爪は家族と似ている」と感じています。ただし「巻き爪そのものが遺伝する」のではなく、巻き爪を起こしやすい体格や指の形、皮膚の質が遺伝的に影響するという分析もあります。
そのため、プロとしては「ご両親と似ている方が多いですが、あくまで元となる土台が遺伝すると考えられています」と説明するのが理想的です。
生活習慣や環境によって変わる
日常の指使いや深爪、噛み癖、栄養・健康状態など、生活習慣や環境も爪の形を左右します。
例えば、ピアノやギターを演奏するお客様には深爪癖があってネイルベッドが短くなったり、噛み癖のあるお客様にはささくれや爪の形の乱れが見られたりします。また、巻き爪も「靴圧」や「歩き方」などの習慣が絡むため、ケア次第で改善することが可能です。
遺伝だとあきらめてしまっているお客様には、環境面を整えることを強調して「爪の形は変えられますよ」とお伝えすると説得力が増します。
ネイリストへのよくある質問:「爪の形を変える方法は?」
「どうすれば爪の形を変えられますか?」と聞かれた場合、プロとして、生活習慣やケア、オイルやヤスリなどの具体策を提示することが大切です。根拠にもとづくアドバイスは、信頼感にもつながります。
ここでは、お客様でも簡単に取り組める方法を4つ紹介します。
爪を短く切りすぎない
深爪はハイポニキウム(爪先端裏側にある薄い皮膚)を削ってしまい、ネイルベッド(爪のピンクの部分)が縮小してしまうため、深すぎるカットを避けることが重要です。一般的には、フリーエッジ(爪の白い部分)を最低3 mmほど残すことが推奨されています。
短く切りすぎないことで、ハイポニキウムが育ちやすくなり、自然と縦長の爪に近づきます。お客様には「深爪は負担になるため、爪先の白く見えている部分が3mm以上見える長さを維持しましょう」と具体的にアドバイスするのがおすすめです。
常に爪の形を整える
ラウンドやオーバル、ポイント、スクエアオフなど、好みやお客様のライフスタイルに合わせて爪の形を決め、常にその形を意識して整えることで、爪がその形に近づいていきます。
ネイルファイルを毎週使用し、形が崩れる前に整える習慣をアドバイスするのが、プロとしての腕の見せどころです。また、形ごとのメリット(崩れにくさ・指先の印象など)を伝えることで、満足度を高められます。
爪に負担をかけないようにする
爪を使って缶を開けたり、爪でゴミをかき出したりするような癖は爪先を傷めるので、割れや欠け、乾燥などの原因になります。
爪に負担をかけないようにするには、ハンドツールや指腹の使用を推奨し、日常から爪を守る習慣づけが重要です。これらの習慣を指導することで、お客様のセルフケアスキルも向上し、理想のネイルに導けるでしょう。
ネイルオイルで保湿をする
ハイポニキウムとネイルベッドの保湿は、爪の形の改善に欠かせません。
ネイルオイルや爪美容液を裏側も含めてこまめに塗布することで、ハイポニキウムが育ち、ピンク部分が伸びやすくなります。実際にネイルオイルを朝晩使用し、1~4ヶ月で明らかな縦長化が見られた検証もあります。
サロンでは、おすすめオイルの使い方も指導し、ケアの継続を促しましょう。
まとめ
爪の形には遺伝的要素も影響しますが、日常的なケアと習慣の見直しによって変えることが可能です。深爪をしないことや、爪切りではなくネイルファイルで形を整えること、指先に負担をかけない生活、そして根気強い保湿ケアは、効果的な爪改善方法です。
プロの視点でこれらを丁寧に説明し、実践的なサポートを提供することで、お客様からの信頼をさらに得られるようになるでしょう。
このコラムを書いた人
O.F
ネイル業界で働いて歴20年。
化学の知識を元に新しいネイル商材や技術を開発しています。