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ジェルネイル ジェルネイルの基礎知識
未硬化ジェルの役割と正しい拭き取り方法
ジェルネイルをLEDやUVライトでしっかり固めたあとでも、表面がペタペタとベタついていることがあります。
「ちゃんと固まっていないのかな?」と不安になるかもしれませんが、実はこれは“未硬化ジェル”と呼ばれるもので、ジェルの硬化過程で必ず出る正常な現象です。
未硬化ジェルとは、硬化中に空気に触れていたジェルの表面が完全に反応しきれずに残ってしまった部分のことを指します。
これは失敗ではなく、むしろジェルネイルの工程においては大切な役割を担っている存在なのです。
今回のコラムでは未硬化ジェルの役割と、正しい拭き取り方法について説明します。
【目次】
ジェルネイルの“ベタつき”の正体 ~未硬化ジェルの役割とは?~
一見すると邪魔に思える未硬化ジェルですが、実は次のジェルをしっかり密着させるための“のり”のような役目を果たしています。
たとえば、ベースジェルの上にカラージェルを塗るとき、この未硬化ジェルがあることでカラージェルが滑らずに密着します。
さらに、カラージェルの上にトップジェルを塗るときも、同じように安定して重ねることができます。
つまり、層ごとの密着を助け、ジェルネイル全体の持ちを良くするという、重要なサポート役なのです。
この“ベタつき”があるからこそ、ぷっくりとした美しいジェルネイルが完成するというわけですね。
未硬化ジェルの正しい拭き取り方法
未硬化ジェルは、トップジェルの硬化が終わったあとに拭き取るのが基本です。
誤ったタイミングで拭いてしまうと、密着が悪くなったり、仕上がりが曇ったりすることもあるため、正しい手順を知っておくことが大切です。
拭き取りに必要なもの
・拭き取り溶剤(ジェルクリーナーまたは消毒用エタノール)
→ アルコール(エタノール)配合で、未硬化ジェルをきれいに除去できます。
・ワイプ(不織布)またはコットン
→ 糸くずが出にくいものを使用すると仕上がりがキレイです。
拭き取りの手順
1. トップジェルをライトでしっかり硬化させます。(メーカー推奨時間を厳守、弊社のジェルネイルPLAY 5’OFFの場合は36W以上のLEDライトで60秒間しっかり硬化)
2. ワイプにジェルクリーナーを適量含ませます。(コットンの場合はたっぷりとしみ込むまで)
3. 爪の根元から先端に向かって、一方向にすっと拭きます。往復せず、一度でスッとふき取るのがコツとなります。
4. ベタつきが完全になくなったか確認し、必要ならもう一度クリーナーで軽く拭きます。
5. 全ての爪がサラサラになれば完了です。
拭き取りのポイント
・強くこすらない:摩擦でツヤが消えてしまうことがあります。
・未硬化ジェルを広げない:ワイプ1枚で何本も拭くと、ベタつきが他の指に移る可能性があるため注意が必要です。
未硬化ジェルの拭き取り失敗の5つの原因とその理由
ジェルが完全に硬化していない
もっともよくある原因のひとつが、トップジェルの硬化不足です。
ジェルの種類やライトの出力によっては、指定時間どおりにライトを当てたつもりでも、中心部が完全に固まっていない場合があります。
硬化不良の状態で拭き取ると、表面がよれてしまったり、光沢が出ないばかりか、ネイルの持ちにも悪影響を与えてしまいます。
対策:
使用しているライトのワット数や波長、そしてジェルごとの「推奨硬化時間」を必ず確認しましょう。(弊社ジェルネイル『PLAY 5’OFF』の場合は、36W以上のLEDライトで60秒間しっかり硬化させます。)
特にUVライト使用時は劣化や電球の寿命にも注意し、LEDライトでの硬化が可能なジェルなら切り替えるのもおすすめです。
拭き取り溶剤の量が足りない
未硬化ジェルを拭くときに使用する拭き取り溶剤の量が少なすぎると、ベタつきを十分に除去できないことがあります。
また、乾いたワイプで何度もこすると摩擦でツヤがにごる原因になります。
対策:
ワイプやコットンにはしっかり湿るくらいの量を染み込ませるようにしましょう。
また、一度使用したワイプで何本も拭かず、爪ごとに清潔な面を使うことを意識すると仕上がりが美しくなります。
拭く際の力加減や方向が間違っている、またはこすりすぎている
拭き取りを雑にしてしまうと、未硬化ジェルが爪全体に広がってしまったり、摩擦でトップ層のツヤを壊してしまうことがあります。
「往復するように拭く」や「強く何度もこする」といった方法は逆効果です。
対策:
未硬化ジェルは、爪の根元から先端へ向かって一方向に優しく拭き取るのがポイントです。
力は入れすぎず、ツヤを落とさないように“なでるように”取り除くイメージを持つと良いでしょう。
使用しているクリーナーやワイプが不適切
安価なアルコールや不織布を代用すると、余分な水分や繊維が残って表面がにごることがあります。
特に濃度が低いアルコールでは未硬化ジェルをしっかり落としきれません。
対策:
信頼できるメーカーの拭き取り溶剤を使用するのがベストです。
ワイプも糸くずが出ないものを選ぶようにしましょう。市販のコットンを使う場合は、表面の毛羽立ちを取り除いておくと安心です。
ノンワイプトップジェルを誤って拭いている
近年主流となっている「ノンワイプトップジェル」は、拭き取り不要のジェルです。
これを知らずにクリーナーで拭いてしまうと、逆にツヤが失われて曇ってしまう原因になります。
対策:
使用しているトップジェルが「ノンワイプタイプ」かどうかを必ず確認しましょう。
ノンワイプは未硬化ジェルが残らないため、そのまま何もせず仕上げてOKです。
まとめ~未硬化ジェルを味方につけよう~
ジェルネイルにおいて、未硬化ジェルは単なる「失敗した残りもの」ではありません。
むしろ、ネイルを長持ちさせるためのキープ力の源であり、美しい仕上がりを作るための隠れたサポーターなのです。
正しく理解して、正しく拭き取れば、仕上がりは一段と美しくなり、ネイルの持続力もぐんと良くなります。
ネイルを楽しむすべての人にとって、未硬化ジェルとの付き合い方はとても大切なステップといえるでしょう。
このコラムを書いた人
5‘OFF スタッフ T.K
美容業界の営業歴 約20年
5‘OFFでは営業として、プロ&一般問わずネイル業界での営業活動を行っております。