TIPS

2025.05.23

化学でみるジェルネイル

アセトンとは?ジェルネイルをオフすると爪や皮膚が乾燥する原因について

ジェルネイルをオフする際に使用するリムーバーにはアセトンが含まれていることが多く、アセトンの特性によって、爪や皮膚が乾燥して白くなることがあります。

ネイルを楽しむ方であれば当たり前のように使用しているアセトンですが、その特性を知っていますか?
特性を知ることで、爪や皮膚が乾燥する原因やその対応策を知ることに繋がります。
そこで本記事では、アセトンの特徴やジェルネイルをオフするための新タイプの製品についてご紹介します。

アセトンの特徴

数多くのリムーバーにはアセトンが含まれています
アセトンは有機溶剤の一種であり、アセトンには以下のような特徴や危険性があります。

樹脂を溶かす

アセトンは樹脂をよく溶かします。その特性から、工業用途においても塗料、接着剤、洗浄剤などに広く利用されています。また、ジェルネイルも樹脂の一つであるため、アセトンを使用することで、硬化したジェルを柔らかくし、オフすることができます。

油と水を溶かす

皮膚や爪には皮脂と呼ばれる物質が存在し、これは肌からの水分の蒸発を防ぎ、さまざまな刺激から皮膚を守る役割を果たしています。しかし、アセトンは油と水の両方を溶かすことができる特性を持っており、皮膚や爪にアセトンが付着すると、皮脂が取り除かれ(これを脱脂と呼びます)、その結果、乾燥して白くなってしまいます。

揮発性が高い

アセトンは揮発(気化)しやすいため、ジェルネイルをオフする際には、アセトンを浸したコットンをアルミホイルで巻くことが推奨されています。

アセトンは揮発性が高く、アセトンを含んだ空気を吸い込むことで、頭痛やのどの痛みが発生することがあります。また、揮発したアセトン蒸気は空気よりも重く、部屋の下に溜まりやすくなります。そのため、使用する際は必ず換気を行い、容器の蓋は使用後にはすぐに閉めるようにしましょう。

においが強い

アセトンを含むリムーバーを使用する際に感じるツンとした独特のにおいは、アセトンから発生しています。においは、成分それぞれで特有のもので、特にアセトンのにおいは気になる方が多いでしょう。また、上記の通り、アセトンは揮発性が高いため、揮発すると部屋全体にもにおいが残りやすくなりますので、使用後も換気を行い空気の入れ替えを行うことで、臭いの低減につながります。

引火性がある

アセトンは引火性を持つ物質です。引火とは、点火源によって可燃性の物質が燃える現象を指し、その温度を引火点と言います。先ほど説明したように、多くの有機溶剤は可燃性であり、その引火性の度合い(引火点)によって消防法で区分されています。その中でも、アセトンは引火点の低いものにあたる第一石油類というものに分類されるもので、引火点は-18~-21℃と非常に低い温度です。通常の温度でも点火源があれば引火する恐れがあります。点火源としては、ライターなどの火だけでなく、静電気も引火の原因となることがあるため、使用する際は火気厳禁を徹底しましょう。

アセトンフリーのジェルリムーバー「ファイブオフジェルリムーバー」

ジェルネイルのオフで爪や皮膚が乾燥する方のために開発したアセトンフリーのリムーバー商品をご紹介します。ファイブオフジェルリムーバーは化学薬品メーカーが開発したこれまでになかった形のジェルネイル用リムーバーです。成分としてアセトンを使用しておらず、また、コットンとアルミなしでオフすることができます。

爪、皮膚へのダメージを軽減することができる

ファイブオフジェルリムーバーはアセトンフリーのリムーバーです。記事でご紹介したとおり、アセトンを含むリムーバーでは爪や皮膚を乾燥させてしまうリスクがありました。しかし、ファイブオフジェルリムーバーはアセトンを使用しておらず、オフ性は従来のリムーバーと同程度に維持したまま、油の溶解性を低減することで皮膚の乾燥を防ぐことが可能です。

また、液体ではなくジェル状となっているため、爪に塗布しても垂れにくく、皮膚に付着しづらいため、皮膚へのダメージを低減することができるというメリットもあります。

アルミ巻き不要でオフ中も指が自由に動かすことができる

一般的なジェルリムーバーは液体状であるため、リムーバーを含ませたコットンを爪の上に置いてから、揮発を防ぐために指全体をアルミホイルで巻き、10分以上放置する必要があります。一方で、ファイブオフジェルリムーバーは先述したとおりジェル状で粘性が高く、塗布後1分ほどで表面に膜が張るので、揮発を防ぐためのアルミホイルを巻く必要がありません。また、指先も自由に動かせるため、オフの待ち時間に指を使ってスマートフォンやタブレット等を操作することも可能です。

まとめ

今回は、数多くのリムーバーで使用されているアセトンの成分や特徴についてご紹介しました。アセトンは、ジェルネイルのオフにおいて一般的に使用されている溶剤ですが、爪や皮膚を乾燥させやすく、引火性があるため、適切な使用方法を心がけることが大切です。

また、アセトンに関する課題を解決するためのリムーバーとして「ファイブオフジェルリムーバー」もご紹介しました。本製品を使用することで、爪や皮膚へのダメージを軽減し、ジェルネイルを楽しむことができます。

 

コラムを書いた人
T.F
化学薬品メーカーにて研究開発を従事。
化学薬品の科学的特性を生かし、ネイル商材の開発を行っている。